アカハネ通信

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V4へ決意を示す男子チーム

 

 来年の全国都道府県対抗駅伝に挑む県選抜の年末合宿が28日、男子は諏訪市、女子は伊那市で始まった。節目の第30回となる男子大会(広島市・7区間48㌔)は1月19日に開催され、本県は史上初の4連覇&最多11度目の日本一に照準を合わせる。この日は、22日の全国高校駅伝で2連覇を達成した佐久長聖高勢と中学生が参加。午後1時からの開講式では、県陸協の丸山健志駅伝部長が県初の男女同時優勝を飾った高校駅伝の快挙に触れたうえで「男女ともいい成績を収められるよう期待しています。高みを目指して頑張ってください」とあいさつ。高見沢勝監督(佐久長聖高教)は「アベックVは追い風になっていると思う。長野県チームは常にテレビに映るチーム。優勝を目指す。そういう意識をもってやってください。意識をはぐくむ合宿」と2日間の目的を説明した。

開講式に臨む選手たち

 

 昨年に続いてオール学生で編成。高校生区間(1,4,5区)は前回1区の浜口大和ら5000㍍13分台の3年生4人が争い、中学生区間(2,6区)も全国中学大会3000㍍2位で昨年2区を経験した中沢侑己(堀金中)ら同種目ファイナリスト3人が競う激戦区。一般・大学生区間(3,7区)は、昨年3区を走り早大でも主将の伊藤大志(佐久長聖高出)、初出場の花岡寿哉(東海大、上田西高出)、吉岡大翔(順大、佐久長聖高出)が出番を待ち、穴はない。高見沢監督は「3区が重要。ここで流れに乗れたら、いい展開。リードしてアンカーに渡したい」と前半で主導権を握るタスキリレーをもくろむ。浜口は「有終の美を飾りたい」と高校最後の駅伝に闘志をかきたてた。年明けは大学生も交えて千葉、山梨で合宿を重ねて一体感を増し、「チーム長野」として出陣する。

 女子大会(京都市・9区間42・195㌔)は1月12日に開催。県選抜は、2年ぶりに高校駅伝を制した長野東高勢、全国中学大会出場経験を持つ中学生、長野東高OGの和田有菜(日本郵政グループ)と名和夏乃子(エディオン)のふるさと選手2人がそろった。例年以上に充実度を増した顔触れで初のメダル獲りの期待が膨らむ。

【男子選手】▼一般・大学生 ◎伊藤、花岡、吉岡▼高校生 浜口、佐々木哲、篠和真、石川浩輝(以上佐久長聖高)▼中学生 中沢、筒井陽(高陵中)増田大聖(真田ク)三沢岳士(豊科北中)

【女子選手】▼一般・大学生 ◎和田、名和、中村柚音(中京学院大)▼高校生 窪田舞、真柴愛里、田畑陽菜、川上南海、今井玲那(以上長野東高)山崎凛(長野日大高)田村るう(松本深志高)▼中学生 北原風花(箕輪中)原梨珠(赤穂中)小出沢恋実(安曇野AC)熊谷心陽(同)

※◎は主将

 12月22日は、「長野県駅伝の日」と認定してもらいたい。22日、京都市で開催された全国高校駅伝でまず女子(5区間21・0975㌔)代表の長野東が2年ぶり2度目の優勝を飾ると、続く男子(7区間42・195㌔)代表の佐久長聖も初の2連覇達成で4度目の日本一となった。ちなみに佐久長聖が2度目の全国制覇を成し遂げた17年は長野東が2位、長野東が初優勝した22年は佐久長聖が2位。長野県勢の男女同時優勝は初めてで、全国に「駅伝王国長野」の名を存分に知らしめた。

犀川河川敷のクロカンコースに掲げられた応援メッセージ

 

 18年連続出場の長野東は、「先行逃げ切り」の鉄則どおりのV奪回劇だった。勢いをつけたのが1区の真柴愛里。昨年は腰痛でメンバーを外れた2年生はこの1年で安定感を増し、最長6㌔のエース区間に登場した。最も内側の位置取りから常に先頭を視界に捉えながらレースを進め、最もきつい上りの残り200㍍で勝負に出て先頭に立ち、16、17年に先輩の和田有菜(現日本郵政グループ)が獲得して以来となる区間賞。がっちりと握った主導権をあとの4人も手放すことなく首位のまま県最速となる1時間7分27秒でフィニッシュした。

 「追う者の強み」の言葉があるように、どの競技でも追い上げる側の方が心理的にも楽だが、2区以降は盤石の一人旅だった。共通だったのは、後続との差、コースの特徴を考えながら、追われる重圧を跳ね返し、最良のペース配分で走るクレバーさ。タスキを受けた直後に差を縮められても慌てることなく、区間終盤にガス欠となった後続との差を戻していた。横打史雄監督は「力を出し切ってくれた。優勝に値する走りをしてくれた。1、2区は想定以上。3区はよく粘ってくれた。後半は単独走に強い二人がいい走りをしてくれた」と称えた。インターハイの上位入賞者など大砲はいなかったが、トラックよりロードに強い適材適所のメンバーは束になって金色に輝く栄光の証を手に入れ、「メダル獲得」の目標を達成。創立50年の節目に花を添えた。

 初代の玉城良治監督(現日体大監督)が川中島ジュニアランニングクラブの竹内万祐監督らの協力を得て礎を築き、20年から横打監督が引き継いだ。犀川河川敷にある手づくりのクロカンコースには今年も地元有志がつくった派手目の応援メッセージが掲げられた。留学生が多く走った3区を託された窪田舞主将以外の4人が残る。地域に根付いた日本一強い公立校の新たな挑戦が楽しみだ。

ひと区画空いた長聖駅伝部の顕彰碑

 

 27年連続出場の佐久長聖は、タフな走りでアンカーまでもつれ込んだ接戦を制し、より難易度の上がる連覇を達成した。前回V経験者で今夏のU20世界選手権に出場した浜口大和と佐々木哲の2枚看板、昨年ゴールテープを切った篠和真を1,3,4区の主要区間に置き前半で主導権を握る展開をもくろんだが、ライバルも手ごわく、7区(5㌔)の石川浩輝は首位・大牟田(福岡)と2秒差の2位でタスキをもらった。すぐ一騎打ちの展開となり、互いに相手の呼吸を読み合いながらの並走に。トラック勝負の可能性も膨らみ始めた3・6㌔過ぎ、5000㍍13分59秒86のタイムを持ち地力で勝る石川が一気に突き放して区間賞もゲット。2時間1分33秒の同校歴代2番目の好タイムで24秒差をつけて勝利。高見沢勝監督は「女子で同じ長野勢が優勝してプレッシャーもあったが、選手たちが素晴らしい走りをしてくれた。ホッとしている」と語った。

 石川は埼玉県出身。佐々木が2位だった全国中学大会3000㍍の決勝に残ったが17位で決して目立った存在ではなかった。1、2年時は大事なところで故障してメンバー入りを逃し、3年生となり台頭。夏合宿を経て持ち前の高い能力を発揮し始め、高見沢監督から「勢いのある選手」と認められ、大事なアンカーに指名された。厳しい寮生活の中で自身を律し、コツコツ3年間かけて強くなる長聖の伝統を受け継ぐ男が、最初で最後の都大路で人生初のスポットライトを浴びた。これで4本目となる西陣織のゴールテープを持ち帰る。正門を入ると駅伝部のこれまでの活躍を顕彰する石碑があるが、空いていたひと区画が埋まることになる。

 相澤健康スポーツ医科学センターが主催する「第22回Jr.アスリートサポートプロジェクト」が22日、セキスイハイム松本スタジアムで行われた。プロ野球界で活躍する県関係者、松商学園出身の上田佳範氏(来季からDeNAコーチ)と辻竜太郎氏(来季から西武コーチ)、松本第一出身の牧秀悟内野手(DeNA)が講師となり、抽選で選ばれた中信地区の中学生60人を指導。上田氏は走塁、辻氏と牧が打撃を担当し、3グループに分かれた次代を担う球児たちに「プロの技」を伝えた。

中学生にプロの技を伝えた講師たち。左から上田氏、牧、辻氏

 

 牧は主将1年目で、セ・リーグ3位からクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズでソフトバンクを倒して26年ぶりの日本一を経験。続くプレミア12でも中心選手として侍ジャパンをけん引した。この日は自らバットを手にしてティー打撃も披露するとインパクトまでが速い鋭いスイングに参加者から歓声が沸いた。密度の濃い4年目を駆け抜けたハマの主砲はまず「一年を通して納得いく数字ではなかった。もっと打点を稼いでいれば、チームももっと上に行けた」と自身の成績を反省。ただ、ポストシーズンを勝ち抜けたことで「主将をやって良かった。結果日本一になり、得るものがあった」と振り返り、「自分たちの世代が頑張っていけば、チームは底上げできる」と27年ぶりリーグ制覇に視線を向けた。2軍担当のコーチとして5年ぶりDeNA復帰となった上田氏も「牧選手が中心になってやってもらわないと。リーグ優勝に向かってやっていく。チームの底上げが必要。若い選手が1軍に上がれるように手助けできれば」と共闘を語った。

打撃を指導する辻氏

打撃を指導する牧

走塁を指導する上田氏