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スポ信EX第9回:松本国際が連覇を狙う上田西撃破

2024年7月7日 | お知らせ, スポ信EX

第106回全国高校野球選手権長野大会は第2日の7日、1,2回戦が行われた。県営上田球場では松本国際が初戦の2回戦で前回覇者で第2シードの上田西を4-0と撃破した。

上田西打線を8回途中まで零封した松本国際の市川志

上田西の連覇の夢を砕き喜ぶ松本国際ナイン

▽2回戦(県営上田)

松本国際

100 011 100-4

000 000 000-0

上田西

松 市川志、市川貴-宮本

上 宮下、小山、石田、岩崎-岩下

初戦屈指の好カードは松本国際の完勝だった。立役者は公式戦初先発の左腕・市川志生。1㍍67、76㌔のガッチリした体格から投げ込む球威十分の直球、切れのあるスライダーで押し込み、8回途中まで散発5安打無失点と試合をつくった。

上田西は前回覇者で昨秋は県優勝、今春も県準優勝のV候補。坂田精二郎監督は前日まで「悩みに悩んで」先発投手を決められなかったが、6番までに左打者が4人並ぶ相手打線との相性を考え背番号11の2年生を指名。3年生の右横手投げエース・市川貴玄を先発と読んでいた上田西打線は裏をかかれた。昨秋は中継ぎで登板も今春は体調不良でベンチを外れ、ここにきて調子を上げてきた市川志は「3年生で外れた人もいる。その分も投げてやろう、と思った。一回一回全力でいった」。4回に最速タイの135㌔を計測するなど先を見ずに真っ向勝負。特に左打者にはナチュラルにシュートするクセ球が有効だった。岡谷市出身。小学校から埼玉県に引っ越し、中学では狭山西武ボーイズに所属もケガが多く出番は少なかった。父の友人の息子が松本国際にいた縁もあり「ここなら早いうちから出られる」と信州に戻り門を叩いた。この日の上田市の最高気温は37・1度の猛暑日。県営上田球場には熱中症などで救急車4台が呼ばれたが、より暑さの厳しい埼玉・坂戸育ちとあって「暑さは全然大丈夫です」と涼しい顔だった。

さすがに疲れの見えた8回は無死から連続四球と単打で満塁のピンチを招いて降板。「すいません。カバーお願いします」。後を託された市川貴はスライダー、チェンジアップで揺さぶり、空振り三振とニゴロ併殺でピンチを脱出。9回も先頭を死球を与えたが三ゴロ、二直併殺でピシャリ。完封リレーで難敵を撃破し「3年生としてしっかりカバーできた」と胸を張った。

昨夏は第2シードで登場も公立校に逆転負けを喫し初戦で消えた。新チームの主力には経験者が残っていたが昨秋、今春とも結果を残せずノーシードでの登場を余儀なくされた。坂田監督は「思った以上に期待に応えてくれた」と市川志を称えると声を詰まらせた。「去年の3年生に申し訳ない。新チームも力があったが勝たせてあげられなくて」と目を赤くしながら苦難の一年を振り返った。守っては無失策。攻めては好機でスクイズ、重盗も絡めて1点ずつ積み上げ、低反発バット仕様の戦いを披露。激戦区の上田から20年ぶりの夏の聖地へ。松本国際は要注目だ。

<上田西>4点を追う8回に無死満塁を築いたが3,4番が不発に終わった。序盤からの劣勢を覆すことができず、よもやの初戦敗退。ただ一人の昨年からのスタメン、扇の要の岩下俊輔主将が「左投手がいることは確認していたが、8割方は市川(貴)対策」と明かしたように、裏をかかれた先発左腕の球威に力負け。救援のエースにもかわされた。「3年生は献身的にサポートしてくれた。みんなで勝とうとやってきたが、勝ちきれなかった。申し訳ない。勝つことの難しさを感じた」。24人の3年生パワーを推進力に、伝統の全員野球で初の連覇を狙ったが、勝負の夏はあっけなく終わった。