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スポ信EX第8回:聖沢が信州球児にエール

2024年7月6日 | お知らせ, スポ信EX

第106回全国高校野球選手権長野大会は6日、セキスイハイム松本スタジアムで開幕した。開会式では千曲市出身で元楽天外野手の聖沢諒さんが全参加73チームナインの入場行進を先導。続いて行われた飯山-下伊那農の開幕試合(1回戦)では始球式でマウンドに上がり速球を投げ込んだ。なお、開幕試合は飯山が3-0とリードした4回表無死、雨のため継続試合となり、きょう7日に延期された。

入場行進で先導役を務める聖沢さん

開会式には全参加73チームが集結した

信州で生まれ育った韋駄天が堂々と大役を務めた。入場行進で真っ先に登場した白いポロシャツ姿の聖沢さんは、背筋を伸ばし軽やかに歩みを進めた。松代、国学院大を経て入団した楽天で俊足、好打の外野手として11年間にわたって活躍。2012年にはパ・リーグ盗塁王に輝き、13年には日本一に貢献した。引退後はそのまま球団職員として残り、園児、小学生、中学生を対象にした野球教室のコーチとして東北を拠点に野球の裾野を広げ、魅力を伝えている。今回は県高野連の役員に高校時代の顧問がいた縁で、高校2年夏に3回戦まで戦ったなじみのあるスタジアムに登場。「今年(11月)で39歳になる。20年以上も前の思い出がよみがえってきて」と懐かしみ、「終わった時にいい大会だったな、と思えるように」とエールをおくった。

引退後も合わせてプロ球界に17年の長きにわたって在籍しているが、高校時代は「プロの可能性は0%」と思っていた。小中学生とも千曲市内の軟式野球チームでプレーし、高校3年夏も中心選手ではあったが2回戦敗退と目立った実績もなかった。だが、高い素質を認める高校時代の柳沢博美監督から「挑戦してみないか」と背中を押されて参加した国学院大の練習会で名将・竹田利秋監督の目に留まったことが転機に。「高いレベルでやりたいと思った」聖沢さんは2年春からレギュラーとなると、1部に昇格した3年秋に三塁手、主将となった4年年の秋にベストナインに輝くなど甲子園組に負けない実績を重ね、当時の大学生・社会人ドラフト4巡目で楽天入り。50㍍走6秒0の俊足を武器に代走、守備固めから着実に出番を増やし、スタメン定着。10年9月22日から15年3月29日まで「927」の外野手の連続守備機会無失策プロ野球記録もつくった。

「大学に行くと長野出身が少ないのが寂しいなと感じている。高校野球が終わっても上のステージで続けて欲しい。どこの大学に行っても(プロの)チャンスはある。大学も楽しい。一つ上のステージに挑戦する選手が出て欲しい。プロでも(DeNAの)牧君が出て来て盛り上がっている」。

自身も無名の球児から最高峰の舞台で輝いた。始球式で真ん中高めに投げ込んだ124㌔の速球で場内を沸かせた聖沢さん。開場100年を迎えた甲子園への切符を懸けた節目の戦いのスタートで、確かなメッセージを残した。