アカハネ通信

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第48回全日本クラブ野球選手権第2次予選北信越大会は最終日の24日、石川県立野球場で準決勝、決勝が行われた。準決勝が不戦勝となった千曲川クラブは、決勝で新潟コンマーシャル倶楽部を10-1の7回コールドで退け、5大会連続9度目の全国切符を獲得した。4回に先制適時打を放った及川諒外野手が最優秀選手賞、7回に駄目押し2点本塁打を放った関洸司朗外野手が通算6打数4安打で最高打撃賞に輝いた。全国大会は8月31日から群馬、栃木両県で開催される。

V5に笑顔の千曲川ナイン

▽決勝

千曲川ク

000 223 3-10

000 100 0-1

(7回コールド)

新潟コンマーシャル

千 本多、名取、井関-永田皓

新 渡辺、五十嵐樹-久志田

🉀関(千)

最優秀選手賞の関(左)と最優秀選手賞の及川

社会人3年目の及川が千曲川クのベンチを覆っていた重い空気を一掃した。ゼロ行進で迎えた4回無死二、三塁。四球と犠打失策で築いた絶好機で6番の左打者は「甘いところに来たら振ろう」と気合十分だった。だが、初球はファウル。力の入りすぎを反省し、2球目の外角直球を素直に左前に打ち返した。「肩の力を抜いて、いい感じで打てた。ミスも絡んだチャンスだったので、1点取りたかった」と貴重な先制適時打を振り返った。

22日の1回戦は富山BCを16-1の7回コールドで退けたが前日23日は激しい雨で中止となり月曜日のこの日に順延。仕事と野球の両立を求められるクラブの宿命で準決勝の野田サンダーズ(新潟)は規定の選手15人を確保できずに棄権を余儀なくされ、千曲川クも一部の主力らがチームを離れた。不戦勝で決勝に駒を進めたものの、勢いは連戦の新潟コンマーシャルの方が上。それでも先発・本多将吾が序盤を踏ん張り、徐々にペースをつかみ出した矢先に破った均衡。これでチームは勢いに乗り、着々とリードを広げた。

決着をつけたのは7-1で迎えた7回。8番・永田皓一の左越え適時二塁打で7点差に広げると、台所事情でこれまでの9番から1番に抜擢された関が豪快に左越え2ランを叩き込み、駄目を押した。「内角ストレート。張ってました。完璧でした。前半、点取るまで緊張してましたが、積極的に振れた」。実はコーチとしてベンチしている父・勝宏さんの57歳の誕生日とあって、社会人7年目の右打者は「良かったです」。最高打撃賞も確定した記念のボールをプレゼントした。

北信越で群を抜く実力を見せつけた千曲川ク。次の目標は8月末に始まる全国大会だ。初のMVPに選ばれた及川は「まだ優勝したことがない」と、過去2度の準優勝を越える初の頂点に照準を合わせる。クラブ日本一となれば晩秋の京セラドーム大阪で開かれる日本選手権切符が手に入る。大阪出身とあって、「家族や知り合いに見に来て頂けるように練習したい」。野球での里帰りを果たすため、さらなる飛躍を期して夏に向かう。

東京都市大塩尻高の前身、信州工高と武蔵工大二高の野球部監督を1966年から08年まで42年にわたって務め、15日に80歳で亡くなった大輪弘之さんの葬儀が20日、塩尻市内で営まれ、県内外から訪れた多くの教え子、野球関係者らが参列した。

大輪さんの棺に置かれたパワーフレーズが記されたバット

しめやかに営まれた葬儀で掲げらた遺影

東京都出身。亜大卒業後、信州で指導者となると、妥協することのない厳しさを貫きながら球児たちと相対した。ユニホームの基本デザインは校名が変わっても同じ。サントリーのデザイナーだった兄が手掛けたもので、ストッキングは「青空」「希望」「大地」を意味する水色、黄色、橙の3色が配されていた。何より大事にしたのは「全力疾走」と「あいさつ」。春秋の県大会で6度優勝も夏は82、90年の準優勝が最高で、甲子園にはあと一歩届かなかった。だが、そのひたむきで爽やかな戦いぶりは県内外のファンが熱く支持。01年から始まったセンバツ21世紀枠の初代県推薦校に選ばれ、勇退後の09年夏には甲子園球場で日本高野連の育成功労賞を受けた。
東京五輪金メダリストで10年連続ゴールデングラブ賞の名セカンド・菊池涼介(広島)ら4人がNPB入りし、加藤学園高(静岡)の米山学監督、学童野球で全国初出場を決めた塩尻BBCの中山清監督ら薫陶を受けた指導者も各年代で活躍中。セイコーエプソン軟式野球部の宮沢洸介監督は「私生活、人間としての部分を練習後によくよく指導された」と懐かしんだ。
勇退後のリラックスした笑顔が輝く遺影が飾られた祭壇には、巣立った後も多くの教え子たちを支えている言葉「全てのことは心から始まる」が並び、信州工高時代のユニホームをまとった遺体が納められた棺の上にも同じパワーフレーズが刻まれた白木のバットが置かれた。練習終了後の監督室でナイター中継をサカナに取材した思い出は今も鮮明。まさに一徹。野球、家族に愛され、永い眠りについた悲運の名将に合掌。

1回、塩尻BBC・山崎が2点適時打を放つ

初優勝を喜ぶ塩尻BBCナイン

高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会県予選は16日、セキスイハイム松本スタジアムで準決勝、決勝が行われた。塩尻BBC(中信)とTeamN(北信)の顔合わせとなった決勝は、15-1の5回コールドで塩尻BBCが大勝し、初優勝。8月15日から東京・明治神宮球場ほかで開催される全国大会出場を決めた。準優勝のTeamNは9月に埼玉県で開催されるGasOneカップ学童軟式野球大会への出場権を得た。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽準決勝

TeamN 10-5 飯田ファイブスターズ

塩尻BBC 12-0 松本ライオンズ

▽決勝

TeamN  100 00-1

塩尻BBC 760 2X-15

(5回コールド)

N 小島、風間、佐藤、西川-佐藤、風間、佐藤

塩 西村、五島、小松愛-山下

 

強い。長短19安打で15点。塩尻の野球キッズが前日15日の準々決勝から3戦連続のコールド勝ちで初の全国切符を獲得。少年野球を指導して21年目のベテランで2017年のチーム結成時から指揮を執る中山清監督は「まさかここまで打つとは思わなかった。子供たちが一生懸命やってくれたのが一番。やつらがやってくれたな」としみじみと喜びをかみ締めた。

後攻で臨んだ決勝は初回に1点先制されたが動じない。その裏、主将の小松愛翔から始まる打線は4連打であっさり逆転し、相手の先発右腕をKO。その後も攻勢を緩めず、打者11人で大量7点をもぎ取った。2回も集中力を保ち、早々と先発全員安打もマークすると打者10人で6点を追加。大量リードを奪うと無失策のバックに支えられた3投手の継投で追撃を許さず、最終6回を待たずに決着をつけた。

塩尻市内3チームから集まった23選手で編成。1月末から始動した今季も集まれるのは月2,3回程度だったが所属チームで昨季から主力だった者が多かった。経験値の高いメンバーに中山監督は「まずは打つこと。子供たちは好き」と野球のだいご味を伝えることを大切にした。その上で「大振りせず、センターに返す」基本を徹底させ、「何があるか分からない。最後まで走る」姿勢を植え付けた。今大会のナインは、ストライクを逃さず積極スイングでセンター中心に低く鋭い打球を打ち返し、常に次の塁を狙い続けた。「全国出場」の共通の目標に向かって、試合ごとに結束も増し、指揮官も「ここに来てチームになったかな」と目を細めた。

金メダルを胸に誇らしげにダイヤモンドを一周したナイン。小松愛主将は「やってきたことを出せた」と振り返ると、「チームのみんなと協力して、全国優勝目指したいです」と真夏の大舞台を見据えた。