アカハネ通信

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 都市対抗野球第1次予選県大会は最終日の1日、長野オリンピックスタジアムで行われ、信越ク(長野市)は千曲川ク(小諸市)との決勝に16―0の7回コールドで大勝した。初回に飛び出した樫山瑠外野手の先制3ランなど5本のアーチを架ける一発攻勢でワンサイドの展開に持ち込み、26日から同会場で開かれる第2次予選北信越大会に県第1代表で進出を決めた。

初回、樫山が先制3ランを放つ

 

▽決勝

信越ク

 832 300 0―16

 000 000 0―0

千曲川ク

  (7回コールド)

(信)宮野、佐渡、加藤―斎藤

(千)三石、森井、村松、名取、和田、井関―永田皓、黒沢

🉀樫山、永井、斎藤、山崎、中道(信)

▽三塁打=山崎(信)

▽二塁打=中道(信)高城(千)

 

 ひと振りで決めた。中前打と敵失で築いた初回無死一、二塁。信越クの3番・樫山は甘い初球を逃さず仕留め、右翼席へアーチを架けた。開始早々、主導権を引き寄せる先制3ラン。値千金の一撃で最高殊勲選手賞も射止めた社会人6年目、今季からコーチ兼任の外野手は「スライダー。きのうあんまり良くなかった(4打数1安打)ので、丁寧に強い打球を出そうと思っていた」と振り返った。

 決勝の硬さも一掃された後続は攻勢を緩めず、初回だけで8点。その後も永井、斎藤、山崎、中道も本塁打を放つなど快音を響かせ、終わってみれば長短16安打で大量16点を奪い、3投手の継投で零封。9-3と退けた5月上旬の高山久男杯に続いて千曲川クに圧勝した。

 26日に開幕する2次予選は地元開催。樫山は「たくさんの人が応援に来てくれる。そろそろ行かないとやばい。都市対抗をみんな知らないので出たい」と、2019年以来遠ざかっている、自身も未経験の東京ドーム出場に照準を定める。4月のJABA長野大会は3戦全敗と歯が立たなかった企業チームにも今予選前のオープン戦で明治安田に8-6と勝利。上り調子で今季最大の目標を達成する!

(スポーツライター・高地浩志)

 

 ⚾…千曲川クは前日準決勝の逆転勝ちの勢いをつなげられなかった。痛かったのは初回、無死一塁からの内野ゴロ失策だ。バックに足を引っ張られた先発の新人・三石は直後に先制3ランを浴びるなど試合をつくれず、1死を取っただけで8失点降板。救援陣も打ち込まれ、一方的に7回コールドで敗れた。平林監督は「結果は見てのとおり。もう一回鍛え直してやっていくしかない」。まずは失点しないこと。県第2代表で挑む2次予選までにどう立て直すか。

 

 都市対抗野球第1次予選県大会は2日目の31日、長野オリンピックスタジアムで準決勝が行われ、千曲川ク(小諸市)は8-3の8回降雨コールドで佐久コスモスターズ(佐久市)を逆転で突破した。3点を追う7回2死から5点を奪う猛攻劇でひっくり返すと8回にも3点を加え、第2次予選北信越大会(6月下旬、同会場)出場を決めた。きょう6月1日の決勝は、FedEx(塩尻市)を5-1と破った信越ク(長野市)と対戦する。

7回、5点目の生還を果たし吠える鈴木

▽準決勝

佐久コスモスターズ

 001 002 00―3

 000 000 53―8

千曲川ク

  (8回降雨コールド)

(佐)林部、熊原―鈴木

(千)名取、森井、本多、村松―永田皓

▽三塁打=山本(佐)鈴木(千)

▽二塁打=山崎(佐)圀府寺(千)

 

 3点を追う7回2死。千曲川打線がようやくつながった。佐久コスモ・林部が操る多彩な変化球を打ち上げ、わずか3安打と沈黙していたが、雨が降り出したなか、疲れが出てきた相手右腕が2連続四球。めぐってきた好機で9番・永田皓は1―2から手を焼いてきた変化球をしぶとく逆方向の右前に転がし、まず1点。なお一、三塁で代打・木下は初球を中前に運んで1点差に。が然、三塁ベンチが元気となるなか、鈴木は5球目の変化球に食らいつくと右翼への三塁打となり一、二走が還って逆転に成功。さらに圀府寺も逆方向への左中間二塁打で、炎の4連打ショーを締めくくり、5-3とした。

 鈴木は今季加入した25歳の新戦力。千葉経大卒業後、2年間在籍したハナマウイ(千葉)では代打、代走、守備固めの途中出場のスペシャリストだった。昨季で引退する意向だったが、同じ東練馬シニア出身の大井マネジャーの誘いもあって2月から信州へ。デイサービスでの介護の仕事と両立させながらプレーする外野手は「(打ったのは)狙っていたパーム。いいところに飛んでくれて良かった。(3回の好機で)バントを失敗してたんで」。ミスも取り返したV打を笑顔で振り返った。

 平林監督は試合後、「これが都市対抗」と呼びかけた。初戦の硬さを払しょくできないまま、ミスも絡んだ失点で大苦戦に陥った大事な公式戦をナインはどう肥やしにするか。県第1代表の座を懸けた信越クとの決勝に注目だ。

(スポーツライター・高地浩志)

 都市対抗野球第1次予選県大会は30日、長野オリンピックスタジアムで開幕し、1回戦2試合が行われた。佐久コスモスターズ(佐久市)は9-2の8回コールドで長野好球倶(長野市)を倒し、上田倶(上田市)を7-4と振り切ったFedEx(塩尻市)とともにきょう31日の準決勝(代表決定戦)に駒を進めた。

好救援で勝利に貢献した高橋稜

 ▽1回戦

長野好球俱

 001 100 00―2

 100 100 34x―9

佐久コスモスターズ

 (8回コールド)

(長)大坪、高橋―甲田

(佐)古田、高橋稜―鈴木

🉀宮沢(佐)

 

 背番号11がコスモスターズを救った。出番は2-2で迎えた6回。先発・古田が自らの犠打失策で無死満塁を招いて降板した。救援のマウンドに上がった高橋稜は、ひるむことなく直球を投げ込んだ。まず7番打者をカウント1―1から押し込み、浅い左飛。続いて、2球目にスクイズを敢行してきた8番打者は投飛、すかさず走者が飛び出していた三塁に転送し併殺を完成させた。

 長野市内の八十二銀行本店に勤める29歳。営業日のこの日は午後から休みを取って駆けつけたのだが、試合はすでに始まっており、しかも互角の展開。「やばいな」と大急ぎで肩をつくり、わずか5球で大ピンチをしのいだ。

 野沢北から進んだ法大では野球部に入らず、全府中倶(東京)でプレー。卒業後は千曲川クに5年在籍し、コスモスターズで2年目を迎えた。平日は週1日のウエートトレと肩甲骨へのケアを施しながら力を維持。この日は135㌔を計測するなどまだまだ球威は十分あり、チームにとって貴重な存在だ。7,8回も走者を出さずに零封すると打線も爆発してコールド決着となり、「終わって良かった。都市対抗はクラブの大会とは違いますよ」。鮮やかな火消しで勝利投手となった右腕の表情は晴れやかだった。

(スポーツライター・高地浩志)