22号砲の全国高校駅伝(京都市)の男子に27年連続で出場する佐久長聖が3日、佐久市内の専用クロカンコースで練習を公開した。大会新の快走で6年ぶり優勝を飾った昨年のメンバー3人を含む10人の登録選手は初の連覇で通算4度目となる日本一へ順調な仕上がりぶりを披露した。
穏やかな陽光を受けながら、先月17日の北信越高校駅伝後に決定した10人がホームコースで健脚を披露した。過去には別メニューの者がいた年もあったが今年は一人も欠けることなく快調に周回を重ねた。前日2日はチーム代表が佐久市役所を訪問し、都大路へ周囲も盛り上がってきたなか、高見沢勝監督は「故障者もなくきちっと練習できている。今の時期としては悪くない状態。力のある選手たちですし、結果を残させてあげたい。やるべきことをやって調子を上げてもらって大会当日を迎えられれば、いい結果になるのでは」と語った。
5000㍍で速い選手の証である13分台ランナーを6人も揃えた昨年は、2時間1分0秒の驚異の大会新を樹立して圧勝し6年ぶりの全国制覇。今年のチームが目指すのは「連覇」だ。けん引するのは8人を占める3年生たちで、今夏のU20世界選手権に出場した浜口大和主将と佐々木哲副主将の日の丸コンビ、前回アンカーの篠和真の3人がV経験者。さらに補欠だった松山優太、最終学年となって力をつけてきた石川浩輝を合わせた5人が13分台ランナーという豪華な顔ぶれだ。ただ、洛南(京都)、仙台育英(宮城)らライバルも強力。佐々木は「2連覇をするには、チームとしても去年のものを以上を目指さなくてはいけない。去年と同じでは駄目。自分たちなりの色を出せなければいけない。最高で最強のチームを目指してやっていきたい」と仲間たちの思いを代弁。浜口も「タイムより連覇。狙える位置にあるので、あとは自分たちが向かっていく姿勢であったり、そういう部分が影響すると思っている」と残された日々を睨んだ。今後は温暖な千葉での合宿でロード対策を重ね、滋賀での直前合宿を経て19日に京都入り。10人だけの濃密な時間を過ごしながらより結束を深めていく。
今大会から規則変更で外国人留学生が2,5区の3㌔区間しか走れなくなるのも国内組だけで勝負してきた長聖にとって追い風。校門脇にある全国高校駅伝でのこれまでの活躍を称える石碑は、ちょうど1大会分のスペースがある。開会式で選手宣誓の大役を務める浜口は「連覇に挑めてうれしい」。喜びを感じて初の偉業にチャレンジする7人の最終オーダーが楽しみだ。