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スポ信EX第1回:12年目の伊志嶺が初の東京D切符獲りに燃える

2024年6月5日 | お知らせ, スポ信EX

7日開幕都市対抗野球第2次予選北信越大会 

千曲川クの仕事人、12年目の伊志嶺が初の東京D切符獲りに燃える 

第95回都市対抗野球第2次予選北信越大会は7日から富山市民球場(アルペンスタジアム)を主会場に開催される。1枚の東京ドーム切符を目指し、8チームが火花を散らす3日間のトーナメント。県第2代表・千曲川クラブ(小諸市)のベテラン、伊志嶺大地外野手(34)はポイントゲッターとして貢献を期している。 

 

5月18日、都市対抗野球第1次予選県大会準決勝「FedEx-千曲川ク」5回、2点三塁打を放った千曲川ク・伊志嶺は白煙の中でガッツポーズ

社会人で白球を追う男たちが最高峰の舞台に立つための3日間が近づいてきた。伊志嶺は「一生懸命チームのために、出されたところで頑張る。現役の間に都市対抗の本選に出る。そうすれば心置きなく辞められる」と決意を口にする。

故郷・沖縄では「伊志嶺3兄弟」と知られる野球一家の末っ子。現在、長兄・大吾さんは3人の母校である沖縄尚学で野球部副部長、次兄・翔大さんはロッテの2軍コーチを務める。伊志嶺自身も高校3年春のセンバツではエース東浜(現ソフトバンク)を「2番・右翼」で支え、全国制覇を経験している。

輝かしい球歴を持つ南国育ちの男が、信州で暮らして12年目を迎えた。2歳上の翔大さんを追いかけて強豪・東海大に進学し、4年時には沖縄の企業チーム入りの話もあった。だが、「戻ったら駄目になる。違うところで勝負してみたい」と断り、あえて厳しい道を模索。当時の横井監督から紹介されたのが、廃部したTDK千曲川のOBが結成準備中の千曲川クだった。中心メンバー、赤羽代表の国際武道大時代の恩師・岩井監督が東海大監督だった縁に導かれた。同代表の家業の保険代理店で営業マンとなり社会人生活をスタート。初めての土地でもあり当初は「3年」を区切りと考えていたが、1年目で全日本クラブ選手権出場を果たすと「西武ドームで試合ができた。うれしかった」と感激し、仕事との両立を求められるプレーに熱が入った。その後は人生の伴侶を得て、今や小学1年を頭に3児の父。「子どもたちに(プレーする姿を)見せたい、物心つくまでやりたい」と新たなモチベーションも加わった。

チームの成績も伸び、クラブ選手権は8度出場し2度の準優勝、企業チームと戦う都市対抗も北信越大会で3度準優勝し全国舞台を視野に捉えている。ベテランの域に達し、1、2番が多かった役割も変化。先月、北信越切符を懸けたFedExとの県大会準決勝は「6番・左翼」で先発。2点を追加して4-0としなお5回2死一、二塁、追い込まれてから4球ファウルした後の甘くなった9球目を仕留めた。「自分でもびっくりした」という右越え2点三塁打となり、7回コールド勝ちへの流れを加速。健在ぶりをアピールした。

30代に入り、故障が増えてきた。今季は全体練習前に自主的にポール間ダッシュを加え、子どもと遊ぶ際も体づくりを意識している。「スピード、切れは衰えている。シンプルが一番。無駄な動きをなくしてコンタクトするだけ」と打席での意識も変わった。

東京ドームは、全日本大学選手権でプレーしているが、都市対抗は別もの。補強された仲間の応援で足を運んだ際に「あの場所でやってみたい」と独特の熱気に魅了された。「あの緊張感があるから辞められない」。負ければ終わり。一発勝負の社会人野球にどっぷり漬かった34歳。北陸・富山の陣は新潟コンマーシャルとの1回戦から始まる。

◇伊志嶺大地(いしみね・だいち)1990年(平2)5月24日生まれ、沖縄県宮古島市出身の34歳。1㍍70、72㌔。右投げ左打ち。アカハネ保険事務所取締役本部長。佐久市在住。