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スポ信EX第19回:日大猛攻堅守で15年ぶりV

2024年7月27日 | お知らせ, スポ信EX

第106回全国高校野球選手権長野大会は最終日の27日、セキスイハイム松本スタジアムで決勝が行われ、長野日大が9-0で長野俊英に快勝し、2009年以来15年ぶり2度目の優勝を飾った。打線は長短14安打に6四死球を絡めて着々と加点すれば、エース山田羽琉は7安打103球で完封し、初の長野市内勢同士の決戦をものにした。全国大会は8月7日から17日間、阪神甲子園球場で開催。同4日に組み合わせが決定する。

15年ぶりVを喜ぶ日大ナイン

▽決勝

長野日大 010 420 200-9

長野俊英 000 000 000-0

日 山田-堀内

俊 千野、伊東、佐藤、山口-屋本大

▽二塁打=山田(日)

4回、日大・玉井は3点差に広げる左中間への適時二塁打を放ち笑顔

3度目はワンサイドで押し切った。9回2死一塁。日大のエース山田が投じた103球目を打ち返した白球は遊撃へのゴロとなった。玉井洸成は軽やかにさばくと二塁カバーの宮沢律羽にトス。モットーの猛攻堅守を貫いた2時間29分で初の長野市勢決戦は終了し、両腕を突き上げる山田を中心に歓喜の輪ができた。

今春は北信決勝で5-3,県大会3位決定戦で10回タイブレークの末に11-9と競り勝った俊英との決着戦。9-0と大勝し、就任4年目で09年以来の甲子園出場を決めた松橋将之監督は「3年前の決勝の負けから、やはり打てなければ勝てないと思ったので、打つことに対して徹底的に練習してきたつもりです。それがここで出せた。選手がよく頑張ってくれた」。21年の決勝で松商学園に中盤以降離され、2-7と敗れた苦い準優勝が出発点だった。

その夏の進撃を見て入学してきたのが、現在の3年生たちだ。昨秋は県4位で北信越大会を逃すと指揮官は主将を小山壱から玉井に交代する一方で、多い日は2000スイングなど徹底的に振りこませた。迎えた今春は「打って勝つ」を掲げたが、県準決勝で上田西に0-1と敗れた。振る力はついても状況に応じた打撃ができなかった。そこで磨いたのがボールの見極め。日頃の練習練習だけでなく、練習試合でも審判の了解を得て「高い」「低い」「遠い」「近い」を言葉に出した。各自が明確なストライクゾーンをつかんで臨んだ今夏は、甘いカウント球は積極的にスイングし、追い込まれてからはとにかく粘りながら甘くなったところ仕留めるスタイルを全員が徹底。この日も4回、2点差としなお1死一、三塁で1番・玉井が8球目を打ち返し左中間適時二塁打、5回は2死二塁で9番・堀内恒希が10球目を左前に運ぶ2打席連続適時打。さらに7回は2死走者なしから宮沢、堀内が連続四球をもぎ取った後に玉井、小田切快成の連続適時打で駄目押しの2点を加えた。

低反発バット時代でも変わらないのは好球必打。松橋監督は「ボールの見極めを厳しくやってくれて、いやらしい野球をやってくれた」と独特の表現でナインを褒めた。

前回の甲子園出場時も「見極め」を武器に2勝してベスト16入り。当時の中原英孝監督はその後、日本ウェルネス長野に移り昨夏限りで勇退。選手だった松商学園時代に薫陶を受け、日大ではコーチとして支えた松橋監督は「教わってきた野球が間違ってなかったことを日大の選手が証明してくれた。本当にありがとうと言いたいです」と涙した。この15年の間には自身も野球部から外れた時期もあり、苦労の末につかんだ栄冠だった。玉井主将からウイニングボールを受け取った熱血漢。「一球に執念を持って、優勝目指して頑張りたい」。参加73チームの代表として日大旋風を吹かせる決意だ。

103球で完封した日大のエース山田

🥎‥元監督の中原さんは松本市内の自宅でTV観戦。「立派でした。よくやってくれた。盤石だった」と日大ナインの堂々とした戦いを称えた。教え子の松橋監督に対しては「ベンチワークが慣れてきた」と評価し、甲子園に向けては「攻めるところは攻め、守るところは守るところを見せてくれれば」と期待を込めた。