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スポ信EX第3回:FedEx逆転負けで初の東京D逃す

2024年6月9日 | お知らせ, スポ信EX

第95回都市対抗野球第2次予選北信越大会は最終日の9日、富山市民球場で決勝を行い、FedEx(塩尻市)は5-8で伏木海陸運送(高岡市)に逆転負けを喫し、初優勝はならなかった。初回に3点を先取したが2回に同点とされると4回に3点勝ち越され、逃げ切りを許した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エース金井真っ向勝負も及ばず

 

4回、4-5と勝ち越しを許しなお2死一塁。FedExの片山祐介監督は金井貴之を3番手としてマウンドに送った。相手は4番の牧田龍輝。これ以上リードを広げられないため、本来は終盤を託すエースを投入した。「守りでリズムをつくる」。背番号18は流れを引き戻すため、まず最も自信のある速球を投げ込んだ。だが、143㌔を表示した投球は左中間芝生席に運ばれ2点を追加された。しかし、まだ中盤。「悔いはない。いいところにいった。牧田を褒めるしかない」と切り替えた。5回に味方打線も1点取り返すと、1個ずつ丁寧にアウトを重ねスコアボードに3イニング連続で「0」を並べた。そして、5-7のまま迎えた8回2死二塁、牧田の打順で片山監督は守備のタイムを要求。「勝負に行け!」と背中を押した。弾みをつけて9回の攻撃に移るため、金井は全力投球。2-2から外角に直球を投げ込んだが、右前に合わされて駄目押し点を奪われた。

「甘いところには行っていない」。真っ向勝負は自身のスタイルとあって潔かった。ただ、30歳のベテランとして「下の子たちにいい経験をさせてやりたかった」と後輩たちを思いやった場面は声を詰まらせた。

金井の入部は、3年連続で秋の日本選手権出場を果たした2017年。以降は低迷期に入り、都市対抗予選は県大会敗退の屈辱も味わったが1、2年目の若手中心で臨んだ今回は県3位から初の決勝進出。大舞台を狙える力があることは示した。次の目標は9月下旬の日本選手権最終予選北信越大会(佐久市)。「今のチームなら(全国に)行ける」。苦い敗戦の中で得た手応えを胸に、社会人8年目の右腕は仲間たちと鍛錬の夏に向かう。

▽決勝

FedEx

310 010 000-5

130 300 01X-8

伏木海陸運送

F 野口、山登、金井-釣谷

伏 西川、西納-幸明

🉀牧田(伏)

 

 

 

上田西出身の荒井が伏木の3年ぶりVに貢献

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伏木海陸運送の荒井朋範が魅せた。50㍍5秒9の快足を武器に上田西、新潟医療福祉大時代から活躍してきた外野手は「1番・中堅」で先発。3点を先取された直後の初回は追い込まれてから中前打で出ると1死二、三塁から牧田の一ゴロで還り追撃ムードをつくった。2回は2死一、二塁から初球を迷わず叩いて一、二塁間を破る適時打。さらに二塁に進むと3番・木村俊輔の右前で同点の生還。8回は無死から四球をもぎ取ると二塁盗塁を決め、2死から牧田の右前打で駄目押しの8点目を記した。

1年目の昨季、チームは日本選手権出場を果たしたが自身は出番がなく奮起。「社会人はレベルが高い。力不足だった。1球の重みを感じながら練習してきた」。持ち前の積極性を磨いて2年目を迎え、リードオフマンとなった。迎えた地元での第2次予選北信越大会。大事な決勝で、2安打1打点1盗塁3得点と気を吐いた。

都市対抗は昨夏、補強された先輩の応援で観戦。「会場の雰囲気、歓声が凄い。あの場所でプレーしたい」と憧れを抱いた。1年後、努力は実り、自身が東京ドームに立つチャンスを得た。「きょうと同様、1番で初回に出塁し、先制点を踏みたい」。チームの初勝利のため、北信越の韋駄天として社会人の聖地を駆け回るつもりだ。