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スポ信EX第17回:日大、俊英が4強進出

2024年7月21日 | お知らせ, スポ信EX

第106回全国高校野球選手権長野大会は第11日の21日、セキスイハイム松本スタジアムで準々決勝残り2試合が行われ、ベスト4が出そろった。長野日大-東海大諏訪は、エースで4番・山田羽琉の負傷交代をカバーした日大が2-1で逆転勝ちを収め、3年ぶりの進出。長野俊英-佐久長聖は前半で主導権を握った俊英が4-1で押し切り、初名乗り。赤穂-俊英、日大-小諸商の顔合わせとなった準決勝は24日に同球場で行われる。

帽子を飛ばしながら力投する日大・中島

▽準々決勝

長野 日大000 020 000-2

東海大諏訪000 100 000-1

長 山田、中島-堀内

東 和田、小野-渡辺彩

日大はアクシデント乗り越え、3年ぶり名乗り

日大の大黒柱がベンチに下がった。3回裏1死二塁。投ゴロをつかんだ山田は二塁走者の挟殺に参加して2死二塁としたが次打者に2球投げたところでプレーを止めた。ランダウンプレーの際に腰を痛め、治療を受けたがプレー続行を断念。急遽の救援となった背番号10・中島龍之介は一飛で切り抜けたものの、4回に内野失策で先制を許してしまった。

松橋将之監督が「高校野球は何があるか分からない」と振り返ったアクシデント。だが、選手たちからは「山田のために勝つ」という声が上がり、士気が萎むことはなかった。5回2死二塁から2番・小田切快成、3番・小山壱の連続適時打で逆転に成功。打線の頑張りに力をもらった中島も「一人一人振れている」と警戒しながら、1㍍83、76㌔の体格から投げ込む角度のある130㌔台の直球にカーブ、フォークを織り交ぜ「気持ちで投げた」。その後の援護はなく1点リードのままの展開で、終盤3㌄は得点圏に走者を背負いながらも「下半身を使って、切れを意識して」1個ずつアウトを重ね、逃げ切りに成功した。

東海とは昨秋の県大会準々決勝で対戦し、中島は先発を任されたが3回途中2失点で降板。試合は救援の山田が踏ん張り、打線も終盤に爆発して5-2と逆転勝ちしたが、「大事な場面で四球から失点してしまう。信頼される投手になる」と誓った。長野東シニア時代も高い能力を評価されていたが故障が多く出番は捕手の方が多かった。高校は投手で入学も結果はもう一つ。飛躍を期して2年冬は下半身の強化に取り組み、一日に70~100球、多い日で150球の投げ込みを課してきた。今春は故障で出番はなかったが最後の夏は3、4回戦で先発すると無失点で試合をつくり、ロング救援となったがこの日も6回3分の1自責点0と投手陣の右の柱となってきた。

チームは2年連続サヨナラ負けの歴史にピリオドを打ち、準優勝した21年以来となるベスト4入り。小諸商との準決勝に山田が出場できるかは分からないが、19日に髪を五厘以下に刈り込み、気合を入れ直してきた心熱き本格派は「一人一人向かっていくだけ」と勝利のために腕を振る!

3回、俊英・古越が先制打を放つ

▽準々決勝

佐久長聖000 000 100-1

長野俊英001 200 10X-4

佐 白井、北沢、藤本祐、北沢-田村

長 千野、伊東-屋本大

俊英は長聖撃破で初ベスト4

第4シードの実力通り。62年創部の俊英が第5シードから10度目Vを狙った名門・長聖を4-1と退け、初の4強入りだ。主導権は相手のちょうど2倍、長短10安打を放った打力で握った。3回だ。2死一、二塁から3番・古越優心が4球目の低め直球を右前に打ち返し、先制した。

「(初回に)走塁ミスした。取り返したかった。長打を狙うとスイングが大きくなる。コンパクトに振った」。初回に1死一、三塁を築くと4番・屋本大雅はランエンドヒットを敢行も相手内野陣の堅守に阻まれ、三塁走者の元田に続き一塁走者の古越までも挟殺される併殺で逸機。だが、失敗しても沈まず、自身の役割に徹した打撃で試合を動かした。

4回もスクイズ失敗を経て2死から元田が中前2点打。立ち上がりから得点圏に走者を背負い続けながらも踏ん張る初登板の左腕・千野尊に貴重な追加点をプレゼントした。その千野は疲れの見えた7回途中でエース伊東颯に継投し1点返されたが、その裏に古越が2死二塁から5球目の変化球を右前に運んだ。再び3点差となると141㌔を計測した伊東が高めも駆使して反撃を許さなかった。

俊英で4度目の夏を戦う小林正具監督は静岡の常葉菊川(現常葉大菊川)、常葉橘(現常葉大橘)を全国区に育てた実績を持つ。選手だった日大三時代の同期でスカウトなどを担当する桜井正孝統括責任者(元松本第一監督でDeNA牧秀悟の恩師)とのコンビで信州球界に新風を吹き込む。「ありがたいですね。3年生と一日でも長くやりたいですね」。たくましさを身に着けてきた教え子たちと16強だった過去最高をまたも塗り替え、初の甲子園まであと2勝だ。