社会人野球・千曲川クラブの古賀輝希内野手が5日、佐久市内で、プロ野球ドラフト会議で7位指名を受けた西武から指名あいさつを受けた。社会人1年目の昨季から注目していた担当の鈴木敬洋スカウトから直接、高い評価を聞いたクラブチームの星は、「開幕1軍」に意欲を見せた。
午後3時からアカハネ保険事務所で行われた指名あいさつは、鈴木スカウトの古賀に寄せる熱い思いがほとばしった。赤羽大代表、平林竜也監督も同席した応接室で、「かなり押した選手。必ず出てくる選手になってください。クラブチームの選手でもやれることを見せて」と直球勝負で思いの丈を伝えた。短時間であいさつを終えると記者会見。指名理由を問われると、「長打力があって広角に打てる。スイングに癖がない。24歳ですけど伸びしろ、将来性がある。ひかれました」。昨季からチェックしていたが心を動かされた瞬間として挙げたのは今年4月、西武3軍とのオープン戦で左中間に放った本塁打。「逆方向に放り込む打者は少ない。入るとは思わなかった。非常にびっくりした。旗を見た。(風はなく)本物だと思った」。その後は試合だけでなく練習にも足を運び、「見に行く試合でほとんど打つ。必ず獲得したい。他球団に獲られたくない。スカウト生活のなかで非常に印象に残る選手」とまるで恋愛のように思いを募らせると、球団幹部も高評価。他球団に知られることなく秘密裏に事を運び今回の隠し玉指名につなげた。
入団後のビジョンについても言及。「打で目立ってもらいたい。守りは当てはめる」。今季パ最下位に沈んだ原因となった貧打を変える生きのいい若獅子として期待を寄せた。
古賀は、西口文也監督がサインしたドラフト会議の入場パスと色紙のプレゼントに加え、鈴木スカウトの言葉のシャワーを浴び、感激しきり。「プロに入る実感が湧いてきました。開幕1軍目指して、キャンプからアピールしていきたい。息の長い選手になりたい。クラブチーム出身でも、できる、ことを見せていきたい」と迷いなく語った。理想として西武が誇る好打者で同じ右投げ左打ちの栗山巧、対戦したい投手にパは佐々木朗希(ロッテ)、セが戸郷翔征と球界を代表する本格派右腕の名を挙げた。