都市対抗野球第1次予選県大会は30日、長野オリンピックスタジアムで開幕し、1回戦2試合が行われた。佐久コスモスターズ(佐久市)は9-2の8回コールドで長野好球倶(長野市)を倒し、上田倶(上田市)を7-4と振り切ったFedEx(塩尻市)とともにきょう31日の準決勝(代表決定戦)に駒を進めた。
▽1回戦
長野好球俱
001 100 00―2
100 100 34x―9
佐久コスモスターズ
(8回コールド)
(長)大坪、高橋―甲田
(佐)古田、高橋稜―鈴木
🉀宮沢(佐)
背番号11がコスモスターズを救った。出番は2-2で迎えた6回。先発・古田が自らの犠打失策で無死満塁を招いて降板した。救援のマウンドに上がった高橋稜は、ひるむことなく直球を投げ込んだ。まず7番打者をカウント1―1から押し込み、浅い左飛。続いて、2球目にスクイズを敢行してきた8番打者は投飛、すかさず走者が飛び出していた三塁に転送し併殺を完成させた。
長野市内の八十二銀行本店に勤める29歳。営業日のこの日は午後から休みを取って駆けつけたのだが、試合はすでに始まっており、しかも互角の展開。「やばいな」と大急ぎで肩をつくり、わずか5球で大ピンチをしのいだ。
野沢北から進んだ法大では野球部に入らず、全府中倶(東京)でプレー。卒業後は千曲川クに5年在籍し、コスモスターズで2年目を迎えた。平日は週1日のウエートトレと肩甲骨へのケアを施しながら力を維持。この日は135㌔を計測するなどまだまだ球威は十分あり、チームにとって貴重な存在だ。7,8回も走者を出さずに零封すると打線も爆発してコールド決着となり、「終わって良かった。都市対抗はクラブの大会とは違いますよ」。鮮やかな火消しで勝利投手となった右腕の表情は晴れやかだった。
(スポーツライター・高地浩志)